切り花を長持ちさせる方法とは?
切り花の寿命は、春秋が1週間~10日、夏が4日~5日、冬が10日~2週間程度と言われています。家を華やかにしてくれる切り花は、せっかくなら長く楽しみたいものです。
上記の3つを覚えておけば、必ず切り花は長持ちします。特別な道具は必要なく、初心者でも簡単に実践できる方法ばかりなので是非お試しください。
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切り花の管理①水不足にさせない
花は水が大好きです。ですが、根を断たれてしまった切り花は上手く水を吸い上げることができません。また、水を吸い上げたとしても、葉から水が蒸発してしまい水不足に陥る場合があります。
・切り戻しをこまめにする
・余分な葉を取り除く
・水揚げをする
切り戻しをこまめにする
切り花を水の中に入れた状態で根元の方を1〜2㎝程カットします。そうすることで、切り口が新鮮な状態になり水の吸い上げがよくなります。この作業を「切り戻し」と言います。
茎が変色していたり柔らかくなって痛んでいたら、痛んでいる部分に加え1〜3㎝程度カットしましょう。
基本的に茎が固い花は生花ハサミか専用のナイフで斜めにカットすると、断面積が広くなり水の吸い上げに効果的です。茎が柔らかい花は、斜めにカットすると花の重さで茎の先端が潰れてしまうので、垂直にカットします。
余分な葉を取り除く
切り花に葉がたくさんついたままだと、葉に水分を取られてしまい花まで水が届きません。葉に行った水分はそこで蒸発してしまいます。
茎の半分から下の葉は葉の付け根からカットしましょう。花瓶の水に浸かってしまう葉や、花瓶の中の葉も痛む原因になるので取り除きます。
水揚げをする
水揚げで花が水を吸収しやすい状態にします。基本的に水揚げは花屋で行われていますが、元気がなくなってしまった切り花や、水が下がりやすい花(アジサイ等)は自宅で水揚げをしてあげると元気を取り戻します。
水揚げは「水切り」が基本ですが、花の種類によって「湯揚げ」や「空切り」が適している場合もあります。
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切り花の管理②菌を繁殖させない
花瓶の中で菌が繁殖してしまうと、切り花がすぐに痛んでしまいます。花瓶と切り花を常に清潔な状態に保つことが重要です。
・水かえをこまめにする
・花瓶を洗う
水かえをこまめにする
水はできるだけ綺麗な状態を保ちましょう。毎日の水かえが理想です。難しい場合は2〜3日に1回は行いましょう。水かえは一番簡単に切り花を長持ちさせる方法です。
水かえの時は水の量も確認しましょう。基本的に、茎が柔らかく、産毛のような細かい毛が生えている切り花や球根系の花は浅水が向いています。これらの種類は水に浸かっている部分が腐りやすいので、たくさんの水にいけるとすぐに痛んで長持ちしません。
茎や枝が太く、葉がしっかりしている腐りにくい切り花や、水の吸い上げが悪い切り花は深水が向いています。
■花瓶の水の量 | |
浅水 | 花瓶の底から3〜5㎝程度。(水がすぐになくなるのでこまめな水かえが必須) |
通常 | 切り花全体の1/3が浸かる量。 |
深水 | 花瓶にたっぷりの量。 |
花の名前 | 画像 | 水の量 | 切り戻し方法 | 水揚げ方法 | 手入れのポイント |
アガパンサス | 浅水 | 垂直にカット | 空切り | ー | |
アジサイ | 深水 | 斜めにカットしてワタを取る/木の部分は表皮を剥く | 空切りしてミョウバンを擦り込む | ー | |
アスター | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | 葉が痛みやすく、暑いと水が濁りやすい。余分な葉は取り除く。 | |
アストランティア | 深水 | 斜めにカット | 水切り/湯揚げ | ー | |
アネモネ | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | ー | |
アマリリス | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | ー | |
アルストロメリア | やや浅水 | 斜めにカット | 水切り | 花粉は取り除く(受粉するとモチが悪くなる) | |
アンスリウム | 浅水 | 垂直〜やや斜めにカット | 水切り/湯揚げ | 寒さが苦手。10℃以下はNG。 | |
オーニソガラム | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | ー | |
カーネーション | やや浅水 | 垂直〜やや斜めにカット | 湯揚げ | 節部分が花瓶の縁にかからないようにすると折れにくい。 | |
ガーベラ | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | 茎が腐りやすいので浅水で。 | |
カスミソウ | やや深水 | 斜めにカット | 水切り/湯揚げ | ー | |
カラー | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | ー | |
キク | 浅水 | 手折り/斜めにカット | 手折り/湯揚げ | 水につく部分は小さい葉も綺麗に取り除く。 | |
キンギョソウ(スナップドラゴン) | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | ー | |
クジャクソウ | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | ー | |
グラジオラス | 通常 | 斜めにカット | 空切り/水切り | 先端の蕾は咲かない場合が多い。摘んでも◎ | |
クリスマスローズ | 深水 | 斜めにカット | 水切り/湯揚げ | ー | |
クルクマ | 浅水 | 斜めにカット | 水切り | ー | |
クレマチス | やや深水 | 叩く/表皮の皮を剥く | 水切り | ー | |
グロリオサ | 通常 | 斜めにカット | 空切り/湯揚げ | 花粉を取る。 | |
ケイトウ | 浅水 | 垂直〜やや斜めにカット | 水切り | ー | |
コスモス | 浅水 | 斜めにカット | 水切り/湯揚げ | ー | |
コデマリ | 深水 | 叩く | 空切り/湯揚げ | 蒸散しやすいため深水。 | |
サクラ | 深水 | 枝を割る/十文字に割れ目をいれる | 割る/空切り | 枝を割る振動で花が散らないように注意。 | |
サンダーソニア | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | 葉が乾燥に弱い。 | |
シャクヤク | 深水 | 斜めにカット | 湯揚げ | つぼみが固い時は表面を軽くふく。 | |
スイートピー | 浅水 | 垂直にカット | 湯揚げ | ー | |
スカビオサ | 通常 | 斜めにカット | 水切り | ー | |
スズラン | 通常 | 斜めにカット | 水切り | 樹液が出る。水換え、切り戻しをこまめに。葉や花に毒があるため子供やペットに注意。 | |
スターチス | 浅水 | 斜めにカット | 湯揚げ | 茎の脇のギザギザの葉は取り除くと水が濁りにくい。 | |
ストック | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | ー | |
スモークツリー | やや深水 | 枝を割る/ワタは取り除く | 割る | 乾燥に弱いためエアコンの風に注意。 | |
セダム | 浅水 | 斜めにカット | 空切り/湯揚げ | ー | |
センニチコウ | やや浅水 | 斜めにカット | 湯揚げ | 夏は腐りやすいので浅水。節でカットすると水上がりが悪くなるのでNG。 | |
ダリア | やや浅水 | 垂直〜やや斜めにカット | 水切り | 外側の花びらから痛む。痛んだ花びらは引き抜かずにカットする。 | |
チューリップ | 浅水 | 斜めにカット | 空切り | 水をよく吸うのでこまめな水かえを。新鮮なうちは短くしすぎない方が長持ちする。 | |
デルフィニウム | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | 水上がりが悪くなるので余分な葉は取り除く。 | |
トルコキキョウ | やや浅水 | 手折り/斜めにカット | 湯揚げ | ー | |
ニゲラ | 通常 | 斜めにカット | 水切り | ー | |
ネリネ | 浅水 | 垂直〜やや斜めにカット | 空切り | ー | |
バラ | 深水 | 斜めにカット (ワタがあれば取り除くと◎) | 湯揚げ | ー | |
ビバーナム(スノーボール) | 深水 | 表皮を剥く/十文字に割れ目をいれる/斜めにカットしてワタを取る | 表皮を剥く | ー | |
ヒペリカム | やや深水 | 縦に割れ目をいれる/叩く | 湯揚げ | ー | |
ヒマワリ | 浅水 | 垂直にカット | 水切り | 夏場は水が汚れやすい。こまめに水をかえる。 | |
ヒヤシンス | 浅水 | 根元の白い部分を残した方が長持ち。数ミリカットする。 | 空切り | ヌメリが出やすい。水をよく吸うのでこまめな水かえを。 | |
ピンクッション | 通常 | 枝を割る | 空切り | 湿度が高い場所はNG。 | |
ブルースター | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | 白い樹液が出る。茎を焼くか、樹液が乾くまで待ってティッシュで拭き取ってからいける。 | |
プロテア | 通常 | 枝を割る | 空切り | 湿度が高い場所はNG。 | |
マトリカリア | 通常 | 斜めにカット/割る | 湯揚げ | 葉が傷みやすい。余分な葉は取り除く。 | |
ミモザ | 深水 | 縦に割れ目をいれる/十文字に割れ目を入れる | 十文字に割れ目を入れる | 乾燥に弱い。花がフワフワした状態のものを選ぶと◎ | |
ユキヤナギ | 深水 | 縦に割れ目をいれる | 叩く/空切り | 蒸散しやすいため深水。 | |
ユリ | やや浅水 | 斜めにカット | 空切り | 葯から花粉が出る前に取り除く(花粉で手や衣服が汚れるため) | |
ライラック | 深水 | 斜めにカットしてワタを取る/表皮を剥く | 表皮を剥く | ー | |
ラナンキュラス | 浅水 | 斜めにカット | 水切り | ー | |
ラン | 浅水 | 斜めにカット | 水切り/湯揚げ | 寒すぎる場所はNG。 | |
リューココリネ | 通常 | 斜めにカット | 水切り | ー | |
リンドウ | 浅水 | 斜めにカット | 水切り/空切り | 受粉して変色した花は取り除く。 | |
レースフラワー | 通常 | 斜めにカット | 湯揚げ | ー | |
ワックスフラワー | 通常 | 斜めにカット/縦に割れ目をいれる | 空切り | ー |
水揚げ方法は以下の本を参考にしています↓
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花瓶を洗う
水かえの時に切り花のヌメリを落としたら、花瓶の中も洗いましょう。少し手間ではありますが、するだけで花持ちもかわります。
毎日しなくてもいいので、時間ができたときは中性洗剤を使って、スポンジで優しく洗いましょう。花瓶を洗うついでに生花ハサミも洗って清潔に保ちます。
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切り花の管理③置き場所を選ぶ
水の温度が上がりやすく菌が繁殖しやすい。また、温度が高いほど花の呼吸は早くなり、長持ちしなくなる。
【クーラーの風が直接当たる場所】
水分が必須で乾燥が苦手な切り花にとって、クーラーの風が直接当たるような場所はNG。
直射日光を避け、通気性の良い涼しい場所を選びましょう。また、花瓶にぎゅうぎゅうに切り花が入っていると通気性が悪く痛む原因になります。
切り花延命剤を使って長持ちさせる
切り花を長持ちさせるために「切り花延命剤」を使う方法もあります。延命剤にもいろいろな種類があり、抗菌作用が強いもの、栄養化が高いものなど、種類によってかわってきます。まれに金属の花瓶と相性が悪いものもあるので、使用する際は成分を確認しましょう。
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ブーケの長持ちする飾り方
綺麗に束ねてあるブーケはそのままの形で2〜3日楽しみます。根元に保水ゼリーがついていたら洗い流して、縛ってある紐やゴムをほどきます。 あとは、切り戻しをして花瓶にいけましょう。
口が広すぎない花瓶は組んだブーケが崩れないのでおすすめです。いろいろな切り花が入っているので水の量は通常の量でいけます。その後は水の減り具合や花の状態をみて調整していきましょう。
花びらアートの作り方はこちら↓
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まとめ
切り花は少しの手間で簡単に長持ちさせることができます。切り花の管理を通して心にゆとりができたり、穏やかな気持ちになったりと他にも良いことがたくさんあるので、是非お試しください。