椿(ツバキ)の花を冬の時期によく見かけます。冬に咲く花は珍しいので、綺麗に咲く椿についつい見惚れてしまいます。
そんな椿の花ですが、なぜ冬に咲くのかご存知でしょうか。 本記事では、花の基本情報や椿が冬に咲く理由を解説していきます。
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椿(ツバキ)が冬に咲く理由とは?
冬に咲く花は珍しく、色鮮やかに咲き誇る椿は街中で目立ちます。美しい椿ですが、実は暖かい場所がすきな花です。ではなぜ椿は冬の寒い時期に咲くのでしょうか。
花木は通常、冬の訪れを感じると開花の準備をやめて眠りに入ります。このことを「休眠」といいます。休眠に入った花木は深い眠りにつき、春の訪れを感じると目を覚まし開花の準備を始めます。
椿のルーツは南方にあり、もともとは暖かい場所を好みました。休眠をする場合、暖かい地域だと四季がはっきりしていないため、深い眠りにつくと寝過ごしてしまう可能性があります。
その為椿の眠りは浅く、微妙に温度が上がっただけで春がきたと認識してしまい、開花を始めてしまいます。椿が冬に咲くのは休眠の深さが関係していました。
品種ごとの椿の咲く時期
椿(ツバキ)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹の総称です。ヤブツバキや近縁のユキツバキから作られた園芸品種、中国やベトナム産の原種や園芸品種、ワビスケツバキなどの総称として「椿(ツバキ)」と呼びます。
椿は品種改良が盛んに行われ数多くの園芸品種が誕生しています。 椿の開花時期は一般的に、冬から春にかけての12月〜4月頃とされていますが、品種によって咲く時期は異なってきます。
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藪椿(ヤブツバキ)の咲く時期
2月~4月頃
日本原産の椿はほとんどがこのヤブツバキを基本種として品種改良が行われています。一般的に椿はヤブツバキ(学名:Camellia japonica)の別名として使われることが多いです。
日本最古の観賞用の花と言われており、江戸時代から茶花として人々に愛されてきました。
雪椿(ユキツバキ)の咲く時期
4月~6月頃
ユキツバキは主に日本の太平洋側に分布しているヤブツバキが、東北〜北陸地方の日本海側の雪が多い地域に適応したものと考えられています。
寒い地域に合わせて休眠期間が長いことが、咲く時期を遅くしているという説があります。
侘助椿(ワビスケツバキ)の咲く時期
■侘助椿(ワビスケツバキ)の咲く時期
12月~4月頃
ワビスケツバキは中国から持ち込まれた品種と、ヤブツバキが交配してできた品種という説があります。
千利休などの茶人が好んでいたことから、茶花として茶室に飾られることが多い品種です。
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冬の花「椿」が春の季語な理由とは?
冬を代表する花として人気の高い椿ですが、季語は「三春の季語」になります。冬のイメージが強い椿ですが、木に春と書いて「椿」となるように昔から春の花として考えられてきました。
ですが、椿は花期が長く地域や品種によって咲く時期が異なる為、現在は冬の花というイメージの方が強くなっています。
晩冬の季語に「寒椿(カンツバキ)」がありますが、寒椿は椿と山茶花を交配させた品種で、園芸の識別上は山茶花のことを指します。
椿(ツバキ)の基本情報まとめ
学名 | Camellia japonica |
英名 | ・Camellia ・Japanese camellia |
科 | ツバキ科 |
属 | ツバキ属 |
椿は古くから愛されてきた花木で常緑でツヤのある厚い葉が特徴です。花の色は赤、白、ピンクなどがあります。
常緑の植物はむかしから神聖なものとされており、椿もそのうちのひとつです。「邪を払う」といわれ、自宅の周りに植えたり、神社や寺でもよく用いられます。
椿の花は散るときに花首からぽとっと落ちる為、病人には贈らないほうがいいとされています。
冬の花「椿」の受粉方法
春に咲く花は虫が花粉を運んでくれるイメージがありますが、冬に咲く椿は鳥が花粉を運ぶ役割を果たしています。
椿の花には、鳥に花粉を運んでもらう為の様々な工夫がなされています。
1.花の中に大量の蜜がある
2.鳥の勢いに耐えられる様、花びらが1枚に繋がっている
3.筒状のおしべが花粉を鳥につけやすくする
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まとめ
椿は冬に咲く花という印象がありますが、早咲きのものから遅咲きのものまで合わせると長い期間楽しむことができます。
椿は自宅での栽培もできますので、季節を感じながら椿の鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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